農園名
あさがお屋農園
農園プロフィール
長野から実家の新潟に戻り、農園は閉鎖した。
実家の庭で細々とあさがおの研究は継続している。長野と新潟では気候が違うため育て方も新たに確立しなければならない。
プランターで育てる客が水切れを起こすのを防ぐため自動潅水装置付きのシステムを開発中である。
現在も熱心なあさがお顧客から少量ながら注文が続いている。
営農地域
新潟県新発田市
主な販売品目
宿根朝顔(品種:オーシャンブルー)
主な販売先
その他(宅配)
経営規模
休止中
農地(購入地/借地/自家用地)
なし
家族構成
独身
農業従事者
本人のみ
農業機械、施設など
越冬用保温設備(自作)
農業機械、施設等の入手経緯や方法
特になし
就農しようと思ったわけ
子供の頃からパソコンと農業が好きだった。
学生時代は、電気・電子が流行でバブルの真っ最中であり、流れに沿ってコンピューター業界へ就職。ITバブル崩壊と共に自社開発物件がなくなり、社内で事実上の失業状態になり、転身するなら早い方がいいと思って30代半ばで退社。あこがれの信州で、2つめのやりたいことの農業をすることを決意した。
就農までのドタバタ劇
特になし
農業技術の習得
独学(50%)+信州ぷ組を中心とした勉強会(50%)
特殊な植物が対象なため直接の先生がおらず、独学で技術を習得
研修など
特になし
栽培作物を選んだ理由
入谷の朝顔市に毎年通っていて、いいなと思っていた。
1年で何メートルも伸びる蔓性の植物に特に興味があった。
利用した資金制度
自己資金(サラリーマン時代の退職金と貯蓄)
農地の見つけ方
(過去の農園について)
ご近所の紹介。
前向きな姿勢で好感触を持ってもらえれば、貸してくれる可能性はある。
また、1,2作やってみて、近所の評判がよければ更なる面積の拡大も可能になる。
雑草を生えさせず、きれいに畑を使うことが評価を上げる最大のポイントである。
逆に雑草が多く生えていることは評判を落とすことにつながる。
農地は、地主さんだけの所有物ではなく、地域の共有財産(共有の景観)であるからである。
収益があるかどうかは、評判には関係がない。

借りようとするより、貸してくれる人を捜すのがよい。無理に借りると長続きしない。また、借地料も高くなる。
就農後の紆余曲折
栽培に使う土をホームセンターから買った。肥料と植物生理については少しは知っているつもりであったが、やってみるとほとんど無知であるということに気がついた。いい土や肥料がホームセンター置いているわけがない。そして土壌分析の世界に首を突っ込むこととなった。ただし、土壌分析をしたからといってすぐにいい土になるというわけではない。最低条件が整うだけである。

今は、堆肥を入れればいい土になるという考え方はしていない。粗悪な堆肥にはカビが多く混じっており、植物の根を傷めるため、却ってできが悪くなる。有用な有機物を少しだけ加えて、あとは化成肥料でコントロールするのが無難である。

今までに借りた農地は5箇所。
現在は猫の額のような家庭菜園も含めて3箇所。返却した2箇所は、整地、除草の管理をしたが、元々荒れ地だったのでうまく管理できずに1年間草ぼうぼうの状態となり、最終的に所有者に陳謝して返却した。ハウスを建てる準備を続けた1年間を棒に振った。尚かつ近所からの評判を落とすことになった。荒れ地を借りるのは無謀である。
農業に取り組む上で大切にしていること、今後の目標など
ユリ農家でバイトして感じたことだが、花卉業界は価格競争がいっそう激しくなってきており、品質管理とコスト削減を両立しないとこの先は厳しい。あさがおは完全な嗜好品であり景気の後退により売り上げを伸ばすことは困難であると思われる。私のあさがおファンは高齢者が多いが、使えるお金も限られる。 普通に朝顔を栽培したら1個100~200円の苗ものと比較され商売にならない。独自性を出さなかったら商売は不可能である。幸いにも私のあさがおは市販のものより花がたくさん咲くと自慢できるほどの違いがある。そしてどこにも売っていない。商売にするのは厳しいが、可能性は十分にあると考えている。 また、あさがおは売りきりの商品ではない。仕立てから水管理、肥料の与え方まで顧客と対話して満足していただくものである。定期的にモップを交換しに来るサービス業にも似ている。あさがおを植えてからのお客様とのコミュニケーションが満足度を上げていくのである。 育てる喜びをお客様と共有し、お客様の喜びがお金という売り上げに交換されているのだということを忘れないようにしている。
新規就農に関する社会状況や問題点など
日本中で農地は余っているものの、借りることは難しい。
特にパイプハウス等の施設を建てるとなると条件が厳しくなる。
所有者が将来の宅地転売や子や孫への譲渡をなんとなく考えている場合が多いように思われる。
就農希望者の受け入れ
受け入れ不可
就農希望者へのメッセージ
人付き合いが全て。
新しい土地に飛び込んだとき、全てはそこから始まる。
不動産屋に行っても農地は扱っていない。
地元の人と人間関係を構築し、コネでつながっていくしか方法がないのが田舎のしきたりである。
よそ者の受け入れに寛容な地域とそうでない地域があるので事前に調べた方がよい。

対人関係が苦手で、自分一人で農業を始めたいと思っている人には再考してもらいたい。

農業は何かと計画通りに進まない。
全ては天気次第。
小雨程度ならかっぱを着て何とかなるが、普通に雨が降ったらトラクターや草刈り機は使えないし、ビニールハウスの建設作業もできない。サラリーマンなら、電車が止まったり台風が直撃しない限り計画通りのことが運ぶが、農業ではうまくいって7割、下手すれば5割程度の進捗しかない。暗くなったら終わりで、残業するという手も使えない。その辺を頭に入れておいた方がよい。

信州の冬はとても寒い。-10度は当たり前。
松本や佐久地域は、札幌と同じくらいの気温だと考えた方がいい。-10度とは想像を絶する世界で、雪が降らなくても畑の表面は5センチほどの厚さで永久凍土となり、とても耕せる状態ではない。冬は、麦と玉ねぎと野沢菜くらいしか生き残れない。ほうれんそうやとう菜は枯れないが、全く生長しないので露地野菜として収入を得られない。露地栽培で作付け可能なのは、4月後半から11月いっぱいまで(4月は霜よけ必須)。霜がダメな野菜は5月中旬から10月いっぱいとなる。冬が長いということは、作付けできる期間も限られるため他の地域と競争するには工夫が必要である。北部地域では長期間積雪があるところもある。

新潟の冬もまた厳しい。
気温は0度くらいではあるものの、雪の日が多く日照時間がほとんどない日が3ヶ月続く。また年によって変動も大きい。日照が少ないためビニールハウスの温度が上がらず苗ものを冬に育てるのはほとんど不可能といってもいい。

山梨もそうだが、信州は比較的東京に近いため不動産の価格が田舎の割には高い。個人で不動産を安く手に入れるためには、人口密集地から離れた場所に行く必要がある。ただし、人口の少ない地域は農産物の消費量も少ないため地産地消は成立しにくく遠くに出荷することになり、時間と輸送コストがかかる。

近年の異常気象がもたらす影響は大きい。単に地球温暖化ということではなく、異常高温、低温、干ばつ、大雨、豪雪、強風、雹、遅霜早霜など、荒っぽい現象が増えていることは確実で、収入に大きな影響を与えることになる。

中国の輸入増大の影響で鉄鋼の価格が上昇し、パイプハウス資材の価格は20年前の数倍になっている。小松菜等の単価の低い野菜では、短期でのハウス建設の原価の回収は難しくなっている。また、燃料費の高騰で、暖房による冬季の栽培はコストが合わなくなってきている。信州は寒いので特に条件が悪い。

経済の縮小、輸入農産物との価格競争で、農業を取り巻く環境は厳しさを増している。

以上のような事柄をふまえた上で、就農を検討していただきたい。
最初は冬季を外した路地野菜ということになろう。
その他
私は独身であるが、同伴者はいた方がいいと思う。 年間を通して育苗が必要な作物であるため、遠出はできないし、帰省も制限される。
連絡先
農園メールアドレス
info@asagao-ya.com