20110124144152「信州ぷ組」では、年間軽く20回以上の自主開催勉強会を企画、開催しています。

一般の農家で、ここまで勉強している人は多くないと思いますし、まして、農家による自主企画でここまで多くの勉強会を開催している例も、聞いたことがありません。

では、なぜ私たちは、そこまでして必死で学び続けるのか。

これまでの農業技術は、長年の経験や勘に基づいて語られることの多いものでした。

「これでうまくいってるから」「皆、ここではこうやってるから」

もちろん、決してそれがすべてではありませんが、そういうことが多かったのも事実ではないかと思います。

農家のお子さんがご実家に就農するならば、経験という名の失敗を重ねても、親という身近な指導者がフォローしてくれますし、経営的な責任のすべてを負わされることも少ないと思います。そしてそれを繰り返し、十分な経験を積んだ時に、自らの経営の看板を背負うことになります。

では、私たちIターンによる新規就農者はどうでしょうか。農業や田舎暮しに無縁だった者が、わずか1、2年の農業研修を受けたのちに、独立。そんなペーペーの状態にも関わらず、1年目から経営の看板を背負い、失敗したら収入減、最悪の場合は赤字という形で全責任を負う。そして、そんな状態が3年も続けば、廃業の危機に直面します。

私たちには、失敗という名の経験を積む時間はないのです。

20090706111248ならば、経験や勘に頼ることのできない私たちは、それをどう補えばいいのか。そんな問いを立てた結果、私たちがたどり着いたのは、経験や勘だけに頼らない、科学的な根拠に基づいた最先端の農業技術でした。

「ぷ組土の会」では、土壌診断をフル活用して、土づくりに生かします。「ぷ組小祝塾」では、植物生理を理解して、その能力を最大限に引き出す堆肥や有機肥料、ミネラルの使い方を学びました。

それでも、私たちは経験不足から毎年多くの失敗を積み重ねました。しかし、さまざまなデータを活用することによって失敗要因をきちんと分析し、確実に次に活かしていくことができるようになったのです。

そして、勉強会を通じて習得した土壌診断や植物生理の基本は、そのまま私たちの「共通言語」となっていきます。志向する農業のスタイルがそれぞれ違っても、私たちはその「共通言語」を通じて、それぞれの現場の情報を大きな共有財産とすることができるのです。

今、「ぷ組」では、農業技術はもちろん、農業経営や地球暦など、私たちがそれぞれの道を自立して歩み続けるのに役立つさまざまな「ツール」を、勉強会を通じて学んでいます。

信州ぷ組土の会

20100619060008「信州ぷ組土の会」は、農家が土壌診断を土づくりのツールとして使いこなすことを目的に平成16年1月にスタートした勉強会です。毎月第三金曜日夜8時から定例会を開催、参加者の実際の土壌診断データを読みこなし、土の性質やその改善方法を学んでいます。

講師は(有)上ノ原農園土壌環境技術研究所 代表取締役の池上洋助氏です。池上氏は指導内容、実績において全国有数の土壌診断指導のエキスパートであり、また花き栽培生産者でもあります。

近年、国や地方自治体、JAなど、土づくりの指針として土壌診断を活用する例が増えつつあります。農業改良普及センターやJAへの分析依頼も増え、また簡易検査キットも販売されるなど、農家にとって土壌診断が身近なものになりつつあります。

しかし、多くの農家は分析結果に対するコメントに目を通すだけであったり、分析値の高低に着目する程度であったりするのが実情です。実際には、それぞれの分析値は互いに関連しあっており、ケースバイケースで意味合いが変わってくるため、解釈が難しいのです。土づくりには教科書のような画一的な正解は存在せず、現場の土壌の状況に応じたオーダーメイドの処方箋が必要なのです。土壌診断は、圃場ごとに存在する答えを見出すための大切なヒントを提示してくれるツールです。したがって、農家自身が数値の示す意味を十分に理解する力をつけた上で、これを活用すべきであると考えています。

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圃場視察会

DSC00690「信州ぷ組」の組員を「北信地区」「東信地区」「中信地区」あるいは「果樹組」など、圃場の地区や栽培作物ごとにグループ分けして、グループの組員の圃場を互いに視察しあって意見交換を行う勉強会です。

「信州ぷ組」の他の勉強会で土壌診断や植物生理などを学び、互いの「共通言語」として通用させているため、高度で深い情報交換をすることが可能になっています。

また、視察会を撮影したビデオを再編集して後述の「技術交換会」で上映することで、全体での意見交換へと発展させています。

技術交換会

20120123200408「信州ぷ組」で行われる技術系の勉強会において、一年のハイライトになるのがこの会です。1泊2日の合宿形式で、毎年、6、7人の組員がパワーポイント等を使って自らの取り組みについての30分から40分ほどの発表を行います。

会の名前は「技術交換会」ですが、発表の切り口は自由です。「経営的な視点」「剪定方法のこだわり」「栽培作物ごとの労働時間と時給」など、まさに発表者の個性が生かされた場となります。それは、互いの情報交換の場であると同時に、発表者本人がもっとも勉強できる場でもあり、自らと改めて向き合う絶好の機会でもあります。

また、圃場視察会を撮影したビデオを再編集した上映会も行われるなど、ハイレベルな意見交換がさらなる技術向上の糧となります。

経営勉強会「集客UP塾」

1048061_266248086865734_1125498160_o_Fotor中小の飲食店を対象とした「集客UP塾」主宰の経営アドバイザー、土屋薫さんを講師にお迎えした、異色の農家向け経営講座です。毎年一回開催です。

なぜ、中小飲食店のアドバイザーに農家が教えを請うのか。実は、Iターンの新規就農農家と、中小飲食店には、大きな共通点があります。それは、どちらも家族経営を基本とした商売である、ということです。小規模経営ならではのお客様とのつながり方、アプローチの仕方など、たいへん多くの学ぶべき点があるのです。

「集客UP塾」という名前から、宣伝やマーケティングといった外向けの内容を想像される方が多いと思いますが、実際の核心は、その逆になります。自分はなぜ、この仕事を始めたのか。そこには、どういう思いがあったのか。これから、どこへ行きたいのか。そんな自分の内側に向けた問いを繰り返す場になります。経営者として進むべき道の羅針盤は、すべて、自分の中にある。経営の基本は自分との対話であり、それを繰り返すことでやっとテーマが見い出されていく。それは、「信州ぷ組」が大切にしている自立への道と同じなのです。
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農業技術総合講座

「信州ぷ組」が誇る敏腕よろず農業技術指導員(訳あって匿名)のWさんによる農業技術総合講座です。毎年一回開催です。

一般に農学の世界は土壌学、生理学、遺伝子研究などに細分化され、専門外のことには疎い人が多いのですが、Wさんは農学全体に造詣が深く、それらを統合的な視座から考えることができる数少ない人です。

「生き物目線」で自然を考えることの大切さを説き、「信州ぷ組」の農業技術学習を方向づけたと言っても過言ではないWさんの講座は、農業生物学と作物生理の基本、土壌学、微生物の活用技術などの内容を一日に凝縮。全受講生の頭脳をオーバーフローさせることで定評があります。

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土壌診断強化合宿

「土壌診断強化合宿」は、「土の会」の定例会に参加できない方や、より広範囲な診断事例を学びたい人のための集中講座です。土壌診断の基礎から事例の読みこなし、その活用までを学びます。

私たちは、土壌診断という「共通言語」を身に付けることが農法や栽培作物、地域等の壁を超えた高いレベルでの情報交換や、人材交流を可能にすると考えており、広く学びの門戸を開いています。

夢を語る会

2012年にスタートした新企画。「技術交換会」のミニ&経営版です。

年始に集合して、組員それぞれの農業経営に関する取り組みや思いを語り、その年にかける決意を表明します。互いの取り組みを聞くことで、自分自身の取り組みの位置づけや意味合い、方向性などを確認できる場です。

この会もまた、発表することでもっとも大きな学びを得ることのできる場です。

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その他に…

– 秋冬視察会
圃場視察や交流会、講演など、有志メンバーで一泊二日くらいの日程を組んで遠征します。
これまでの実績:内子町(愛媛県)、岐阜県高山市、山梨県南アルプス市、愛知県豊橋市、土佐自然塾「有機のがっこう」、千葉県、石川県輪島市など

– 技術質問会
Wさんによる農業技術のよろず質問会です。秋ごろ、シーズン終了間近に、そのシーズンに感じたさまざまな疑問を質問する会です。

その他、臨機応変、かつ自主的に、さまざまな催しが開催されています。