2019/2/5、6、7 信州ぷ組土の会主催

1. 信州ぷ組土の会、土壌診断勉強会強化合宿とは

信州ぷ組土の会は農家が土づくりのツールとして土壌診断を使いこなすことを目的とした勉強会で、毎月一回の定例会開催を続け、今年で15年目(2018年11月現在)を迎えております。

そして「土壌診断勉強会強化合宿」は、毎月の勉強会に参加できない方やより広範囲の診断事例を学びたい人を対象とした年に一度の集中講座で、今回でいよいよ12回目を迎えます。

2. 何が足りないのか?

現在、土壌診断は普及センターやJA、肥料販売業者、大学等で行われているにもかかわらず「農家自身が数値を読みこなし、栽培のためのツールとして活用する」ことが、なかなか出来ておりません。それは特に、

  1. 採土の重要性。診断の目的や状況に応じて採土しなければ分析値が意味をなさない。
  2. 入れるのも土づくり、入れないのも土づくり。
  3. CEC(塩基置換容量)を知ることが、自分の田畑を知るための第一歩である。
  4. 分析値の高低だけではなく、各分析値同士の関連性に着目することで、土の状態をより正しく把握することができる。
  5. 土壌改良資材の投入量は計算で求めることは出来ない。その土壌固有の「緩衝能」に注目する必要がある。
  6. 土壌診断を使いこなすためには分析の継続が重要である。

の6点の認識不足があり、そして決定的なのは正しい指導・学習環境が欠けていることが農家現場で活用する妨げとなっていると思われます。

3. ならば、この合宿で得られるものは

皆さまがこの合宿に参加して「土壌分析データを読みこなし、診断をして、そして栽培のためのツールとし使いこなせるようになる」ために以下の点の修得をお約束いたします。

  • 土壌分析データ、それぞれの数字の意味、土壌診断全般にわたる基礎知識が修得できます。
  • 毎回80件を超える検体提出により1回の勉強会としては圧倒的な経験値を得られ、様々な実例を読み解くことにより、圃場の状態に応じた必要な手立てを導き出す方法が理解できます。
  • 土壌診断に取り組む実践者の実例を聴き、グループディスカッションを行う中で質疑応答を行い実際の現場での活用方法が理解できます。
  • 事前に土壌検体を提出した参加者は講師から直接アドバイスを受けることにより、自分事としてより深い理解を得ることができます。
  • また事務局メンバーも実践者であり、参加者の中にも複数年取り組む実践者もいるので、あらゆる疑問に答える態勢を整え、それぞれの現場にそった理解が得られる体制を整えております。

4. それが言える理由は

この合宿を主催する「信州ぷ組土の会」の母体、「信州ぷ組」は新規就農経験者による新規就農支援組織です。新規就農して最初に当たる壁は「栽培」です。現場のベテラン農家さんが会得した技術の多くは長年の経験や勘によって得られたものです。

しかし新規就農者は経験も勘も皆無であり、経験という名の失敗を積み重ねる時間も余裕もありません。

そこで我々はそれらを補い、出来る限り短期間で栽培技術を会得するために選んだのは「データの活用やの科学的根拠に基づいた農業技術の導入」でした。我々は当合宿の講師である池上洋助氏との出会いにより、月に一度、自身の田畑を分析したデータをもとにした土壌診断勉強会を続けた結果、着実な成長を得られて、実績を上げることが出来ています。その経験をもとに農家がより実績を上げられるために、「農家自身が土壌分析データの数値を読みこなし、診断をして、栽培のためのツールとして活用する」ための正しい指導・学習環境を設けるために当合宿を企画しました。「土壌診断」とは学ぶことによって確実に修得することが出来る貴重な農業技術なのです。

5. 1泊2日の合宿から2泊3日の大合宿へ

第9回の合宿から、事前の土壌検体分析において、土壌改良が必要と判断された場合には「緩衝能計測」も診断結果に含めて提供されるようにした結果、参加者全員が検体を提出して合宿に臨みむようになり、自分事としてより深い理解を得られたとの感想が得られ、リピーターの割合が増えました。10回からは、土壌改良後の「確認調査」も当日申し込みにより割引で分析できるようにした結果、申し込んだ全員が後日「確認調査」を実施するに至りました。

全国各地から意欲的な農業実践者にご参加いただくようになりましたが、参加者間でレベルの差が生じてきました。土壌診断に初めて触れ、EC やpHなどの意味がまだ理解できない方、すでに合宿には連続で参加しており、更なるレベルアップを求める方。初めての方には基礎的な知識修得に時間をかけたい半面、レベルアップを求める方にはよりじっくりとデータの読み解きや実践レベルの取り組み紹介に時間をかけたい。合宿が進化する中で1泊2日では参加者がそれぞれ求めるニーズに応えきれなくなり、今回からそのニーズを満たすために2泊3日の合宿とすることにいたしました。

6. どんな人が参加したら

この合宿に続けて参加している方にとってはより有意義な機会になるのはもちろんのこと、土壌診断に取り組み始めた方、これから土壌診断に取り組みたい方にも、基礎から時間をかけて学べた後に経験者の具体例が聴けるまたとない機会です。2泊3日のフル日程での参加を強くおすすめします。

またドクターソイルなどの簡易診断キットや施肥設計ソフトによる施肥設計にて土壌診断を実施している方やJA、行政機関、など他の分析機関をご利用している方にとっては、正しく基本を見つめ直すための最高の学習機会になることをお約束できます。

※参加ご希望の方への大切なお願い

基礎知識や診断データを自分のものとするため、全参加者に土壌検体の提出を強く勧めております。検体提出の方は必ず分析シートにご記入いただき、一緒にお送り下さい(土の袋には入れないこと)。分析シートは以下のアドレスにアクセスしプリントアウトして下さい。またご希望があればFAXいたします。

分析シートには採土方法も書いてありますので必ずご確認をお願いいたします。

https://goo.gl/LQQfsY

・土壌分析:1検体10,800円。

一般分析(EC、pH、CEC、石灰、苦土、カリ、リン酸)+無機態窒素(硝酸態、アンモニア態窒素)+塩基補給対策の緩衝能計測までのセット。費用的には決して安くはありませんが、改良対策のための緩衝能計測までを考えるとかなりの格安となっております。

緩衝能計測に基づいて土壌改良を行うことになった場合、改良実施後に行う確認調査の分析について、合宿当日の申し込み・事前精算限定で、一般分析+無機態窒素計測を5400円(通常の半額)で受け付けます。

<土壌検体提出先>

〒399-7102 長野県安曇野市明科中川手20-2  (有)上ノ原農園土壌環境技術研究所 まで

Tel 0263-62-3056

※土壌500グラム程度をビニール袋で密閉し、必ず記入した分析シートと共に(土の袋には入れないこと)宅配便等でお送りください

*検体締切り 平成31年1月20日必着(申し込み後なるべく早くご提出をお願いします。遅れた場合、対策の提示が出来なくなる可能性がございます)

7.開催要項について

平成31年2月5日(火)12:30集合 ~ 7日(木)13:00まで

※全日程終了後、希望者には昼食を挟み、補足講義を予定しております。
(補足講義では質問の受付に加え、基礎の再復習を行う予定です)

タイムスケジュール(予定)

<1日目> 基礎編

12:30        現地集合
13:00~13:30 挨拶ならびに事務連絡
13:30~15:20 基礎編第一部(土壌診断とは? EC、pH、CEC、石灰、苦土、カリウム、塩 基飽和度など)
15:30~18:00 基礎編第一部 続き
18:00~19:00 夕食 ※アルコール類なし
19:00~21:00 基礎編第二部
21:00     1日目終了:その後入浴、軽めの懇親会

<2日目> 基礎実践編

7:30~8:30  朝食
8:30~10:00 基礎実践編
10:10~12:00 基礎実践編続き
12:00~13:00 昼食、休憩
※ 12:30 2日目からの参加者受付開始

実践編スタート

13:00~13:15 進行説明
13:15~15:30 分析データ読み解き 第一部
15:45~18:00 分析データ読み解き 第一部続き
18:00~19:00 夕食(※アルコールなし)、休憩
19:00~22:00 分析データ読み解き 第二部
22:00 二日目終了:その後入浴、懇親会

<3日目> 活用編

7:30~8:30 朝食
8:30~9:30 実践者3名による事例発表
9:40~11:00 事例発表者を中心としたグループディスカッション 40分×2セット
11:10~11:40 <ワーク>土壌分析年間計画作成
11:40~12:30 <シェアタイム>分析計画&全体の振り返り
12:30~13:00 総括
13:00 大合宿終了

※ 14:00~17:00(予定) 補足講義&質問会(自由参加、会場費お一人200円、途中退場可)
※ 昼食は費用に入っておりません。2日目ならびに3日目の昼食について必要な方は事前予約をお願い致します。(昼食代800円程度)

☆ 1日目から2日目の午前中までは土壌診断の基礎から事例の読みこなし術、その活用のための基礎を徹底的に学習します。
☆ 2日目の午後から2日目終了までは参加者から提出された検体の分析データの解説、診断、活用を6点のチェックポイントに要点をおいて行います。
☆ 3日目は、個別の課題解決のための活用方法を経験者から事例発表をしていただいた後、発表者中心にグループディスカッションを行います。参加者全員が積極的な意見交換、情報交換を行うことにより、更に理解を深められることを目指します。

その後、参加者全員が自身の分析計画を作成、改めてグループに分かれてシェア、そして全体の振り返りを行います。

☆講師は、(有)上ノ原農園土壌環境技術研究所 代表取締役の池上洋助氏です。信州ぷ組土の会では、過去15年に渡りご指導いただいており、その指導内容、実績において全国有数の土壌診断指導のエキスパートであり、また花き栽培生産者でもあります。

☆会場

公営宿泊施設 ビレッジ安曇野
長野県安曇野市豊科南穂高6780 Tel 0263-72-8568
(長野自動車道安曇野ICから約5分、JR大糸線柏矢町駅から約2キロ)
http://villageadumino.freebook.jp/e6037.html

<全日程参加>

☆参加費
・お1人様 18,000円

☆宿泊日
・2泊3日(4食付、昼食代別)お1人様 16,000円
・懇親会費:若干(懇親会での飲食代を割り勘でお願いしております。ご協力お願いします)

<1日目から2日目夕食前まで、または2日目午後から3日目終了まで>

☆参加費
・お一人様10,000円

☆宿泊費
・1泊2日(2食付、昼食代別)お1人様 8,000円
・懇親会費:若干(懇親会での飲食代を割り勘でお願いしております。ご協力お願います)
・分析料:10,800円×検体数(希望者)

8.参加申し込みについて

お申し込みの際、以下の項目を記載の上、お申込みをお願いします。
・お名前 ・ご住所 ・携帯番号 ・栽培作物(研修生の方は作物と合わせて研修中と記載)
・当日会場までの交通手段
・二日目終了後の補足講義参加の有無
・昼食の予約の有無(2日目、3日目終了後それぞれ)

上記内容を明記の上、メール、FAXにてお願いします。
※お問い合わせはお電話でも受け付けておおります

☆お申し込みならびにお問い合わせ先
・土壌診断勉強会強化合宿事務局 信州ぷ組 土肥(どひ)まで

メールアドレス:dosuikasun☆gmail.com(☆は@に変えて下さい)
電話:080-5141-0134
FAX:0263-92-5903

9.参加申し込み締め切り日

平成31年1月30日
(定員50名になり次第、受付を終了させていただきます)

10.Q&A

Q:以前からいくつかの分析機関を通じて、土壌診断を実施してきました。土壌診断についてはある程度理解しているつもりなので基礎編の必要性は感じないのですがいかがですか?

A:このご案内の中での「2.何が足りないのか?」で触れている6項目が、ほとんどの土壌分析機関で触れられておりません(厳密にいうとCEC以外)。この6項目を理解しないことには現場で使える診断として機能いたしません。基礎編はこの6項目の理解を中心にすすめます。今一度、基礎編から最終日までじっくり学ばれることをお勧めいたします。

Q:新規就農に向けて環境の整備中ですが、土壌診断に接したことがなく、全く知識がなく、参加したいのですが不安があります。

A:この合宿を主催しているのは信州ぷ組という新規就農経験者による新規就農支援組織です。

農業技術において重視されてきた経験やカンが著しく不足している新規就農者がそれをカバーする「学ぶことにより確実に修得が可能な農業技術」が土壌診断であり、自らの経験をもとに当合宿を企画しております。理解することが簡単とは言いませんが、一から手ほどきするのが1日目、2日目の基礎編です。事務局も全員、新規就農経験者です。お持ちの不安に対してご相談に乗れる立場でもありますので、ぜひ「えいやッ!」とご参加下さい。

それと参加に際してぜひ土壌検体を提出して下さい。学びを自分事にするためには絶対に不可欠です。

Q:分析費用について質問です。普段、依頼している行政機関やJAと比べ、費用が高い気がします。行政機関やJAの分析ではいけないのですか?またその診断結果を持ち込んでもよろしいですか?

A:分析で絶対に確保されなければならないのが「精度」です。常に高い精度で分析が行われることによって、その分析値は有効となり、前後の分析結果との比較、年ごとの比較、などデータとして活用し、診断することが可能となります。

当合宿の講師であり、分析も行う池上洋助氏はまさにこの道のプロ中のプロです。

高い精度の分析は一朝一夕では出来ません。その精度のための必要経費でもあります。

またこの合宿限定で分析の結果、土壌改良が必要と判断された場合、一括料金内で改良対策のための「緩衝能」計測を行います。合宿内で触れますが、この「緩衝能」は土ごとに独自の反応を示すため、土壌改良を実施する際、これがないと改良が不可能なのにも関わらず、どこの分析機関でも計測しておりません。

「緩衝能」計測の通常の料金を含めると一括料金の倍以上となるので実はかなりの割安となっております。また緩衝能に基づいた土壌改良を行った場合、確認調査が必要ですが合宿参加者で現地精算をして下さった方は半額の料金で分析を行うサービスを実施します。

この合宿に参加するための交通費、参加費、宿泊費、分析費用を考えると相当な経費であることは重々理解しているつもりです。

事務局としても少しでも学びを深めることと経費削減が両立できるよう工夫していきたいと考えております。

持ち込みについてですが、その分析結果がどのような分析方法で行われたのか、そして精度はどの程度確保されているかが不明ですので、有効なアドバイスは難しく、申し訳ありませんがあくまで参考程度のお答えになるかと思います。

Q:この合宿は今回参加すれば3回目となります。ですので基礎編は参加せず、2日目の午後からの参加を考えておりますが、いかがですか?

A:この合宿はご自身のルーチンワークとして、毎年参加することにより自分の技術になることを目指して企画しており、そのような方に対してのよりいっそうの実践分野の学びの充実を目指して2泊3日といたしました。

ただ、今までの合宿で行ってきた「基礎編」は基礎を理解していただくには余りに時間と情報が不足しており、正確に基礎を身に着けるまで至っておらず、そこの改善のための2泊3日でもあります。

今回から2日目の午後からの実践編では「基礎編の理解がある程度できている」ことを前提に、進めていきますので、スケジュール確保や経費のご負担を考えると心苦しいですが今回については初日の基礎編からのご参加を強くおすすめします。そうすれば次回からは2日目からのご参加が可能な状況になると思います。

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第12回 土壌診断勉強会強化合宿 開催のご案内 第12回土壌診断合宿案内