信州ぷ組土の会では、農家が土づくりのツールとして土壌診断を使いこなすことを目的とした土壌勉強会を毎月開催し、今年で12年目を迎えております。
「土壌診断勉強会強化合宿」は、毎月の勉強会に参加できない方やより広範囲の診断事例を学びたい人を対象とした集中講座で、今回で第9回目を迎えます。
農家が土壌診断を活用する場合の多くは、数値ではなくコメントに目を通すだけ、分析値が高いか低いかを気にするだけ、あるいは診断に付随してくる改良資材を発注するだけといった活用が実情でありました。しかし、それでは各々の営農環境に合わせて土壌診断に基づく土づくりをしたり、栽培管理に利用するためには不十分であり、土壌診断に対する認識不足です。各数値の関連のなかに、その土固有の特徴や栽培の問題点が見え隠れしていることが多いのです。
当合宿では、真の意味で「農家が土壌診断を読みこなし、そして使いこなす」ために、以下のことに取り組みます。
- 土壌診断データの数字の意味、土壌診断全般にわたる基礎知識を修得します。
- 様々な実例を読み解くことにより、圃場の状態に応じた必要な手立てを導き出す方法を理解します。
- 土壌診断を取り入れた実践者の取り組みを聴き、その実績をもとに討論します。
- 事前に土壌検体を提出した参加者は、講師からアドバイスを受けながら、自らの圃場の状態を把握します。
事例の読み解きに際しては、以下の6点をチェックポイントとして分析結果をひも解き、具体例を通して、土壌診断を使うコツ、読みこなしの視点、対処の方法と注意点を学びます。
- 土の採り方は大変重要であり、その目的や状況に応じて採土する。
- 入れるのも土づくり、入れないのも土づくり。
- CEC(塩基置換容量)を知ることが畑を知るための第一歩である。
- 土の状態を把握するためには分析値の高低だけではなく、各分析値同士の関連性に着目しなければならない。
- 土壌改良資材を使う場合、「緩衝能」の影響により、投入量を計算で求めることは出来ない。
- 土壌診断を使いこなすためには分析の継続が重要である。
土壌診断から見えてくるものは常にケースバイケースで、一律で正しい土づくりの道はありません。土壌診断は農家自身がその圃場ごとに存在する答えを見つけるための重要なヒントであり、答え(結果)は現場に現れてくるものと考えます
異なる環境の異なる土、そしてそれぞれの取り組みは異なり、分析値からの読み解きも多様な情報が出てきます。独りでは到底経験しえない数の事例が一堂に会すことで、読みこなしの経験値は確実にあがります。
また、土壌診断という「共通言語」を身につけることにより、農法、作物、地域等の壁を超えた情報交換や人材交流が可能となり、それは我々の願いでもあります。合宿には農家の皆さまはもちろんのこと、様々な農業関係者の参加もお待ちしております。
一日目、第一部は土壌診断の基礎から事例の読みこなし術、その活用までを学びます。
基礎編から始まり、参加者の具体的データの解説、活用を6点のチェックポイントに要点をおいて行ってまいります。
また二日目、第二部は、個別の課題解決のための活用方法を経験者から事例発表をしていただいた後、発表者中心にグループディスカッションを行います。参加者全員が積極的な意見交換、情報交換を行うことにより、更に理解を深められることを目指してまいります。
講師は、(有)上ノ原農園土壌環境技術研究所 代表取締役の池上洋助氏です。信州ぷ組土の会では、過去12年に渡りご指導いただいており、その指導内容、実績において全国有数の土壌診断指導のエキスパートであり、また花き栽培生産者でもあります。
<大切なお願い>
基礎知識や診断データを自分のものとするため、全参加者に土壌検体の提出を勧めております。検体提出の方は必ず分析シートにご記入いただき、一緒にお送り下さい(土の袋には入れないこと)。分析シートはこちららのリンクからアクセスしプリントアウトして下さい。また、ご希望があればFAXいたします。
・土壌分析:1検体10,800円 EC、pH、CEC、石灰、苦土、カリ、リン酸+硝酸態・アンモニア態窒素、塩基補給対策の緩衝能計測までのセット。費用的には決して安くはありませんが、改良対策のための緩衝能計測までを考えるとかなりの格安となっております。
<土壌検体提出>
〒399-7102 長野県安曇野市明科中川手20-2 (有)上ノ原農園土壌環境技術研究所 Tel 0263-62-3056
(土壌500グラム程度をビニール袋で密閉し、必ず記入した分析シートと共に宅配便等でお送りください)
*検体締切り 平成27年1月15日(必着でお願いします。遅れた場合、対策の提示が出来なくなります)
<実施日程>
平成27年2月9日(火)12:30集合 ~ 10日(水)13:00まで
※終了後、希望者には昼食を挟み、補足講義を予定しております。
(補足講義では質問の受付に加え、基礎の再復習を行う予定です)
<会場>
長野県安曇野市豊科南穂高6780 Tel 0263-72-8568
(長野自動車道安曇野ICから約5分、JR大糸線柏矢町駅から約2キロ)
<参加費>
講師料:お1人様 10,000円
*2日目、第二部のみ参加 お一人4000円(朝食なし、補足講義別)
※2日目のみの参加は信州ぷ組土の会に正会員として参加実績のある方、過去にこの合宿に参加経験のある方のみに限ります。(ご事情により1日目のみの参加希望の方についてはご相談下さい)
- 宿泊費:1泊2日(2食付)お1人様 8,000円
- 懇親会費:若干(懇親会での飲み物、つまみ代のカンパをお願いしております。ご協力願います)
- 分析料:10,800円×検体数(希望者)
<タイムスケジュール(予定)>
<1日目>第一部
- 12:30 現地集合
- 13:00~13:20 挨拶ならびに事務連絡
- 13:20~15:20 基礎編(土壌診断とは? EC、pH、CEC、石灰、苦土、カリ、塩基飽和度など)
- 15:30~18:00 実践編第一部(参加者の実データに基づいた土壌診断表の読み方)
- 18:00~19:00 夕食 ※アルコール類なし
- 19:00~22:00 実践編第二部(続き)
- 22:00 1日目終了:その後入浴、懇親会
<2日目>第二部
- 7:30~ 8:30 朝食
- 8:30~10:00 事例報告(テーマ:土壌診断をつかいこなす、その活用事例:4名)
- 10:10~11:40 事例発表者を中心としたグループディスカッションによる意見交換
- 11:50~ 12:50 講義
- 13:00 2日目終了、現地解散
※14:00~17:00(予定) 補足講義&質問会(自由参加、会場費お一人200円、途中退場可)
参加ご希望の方は昼食の有無(昼食代800円程度)も合わせ、予めお知らせください。
<参加申込締切り>
平成27年1月30日(定員60名になり次第、受付を終了させていただきます)
※申し込みの際、以下の項目を記載の上、お申込みをお願いします。
- お名前
- ご住所
- 携帯番号
- 栽培作物(研修生の方は作物と合わせて研修中と記載)
- 当日会場までの交通手段
- 二日目終了後の補足講義参加の有無(参加の場合は昼食の有無も)
<参加申込およびお問い合わせ先>
信州ぷ組組長 土肥(どひ)まで
E‐Mail dosuikasun@gmail.com 携帯 080-5141-0134 FAX 0263-92-5903
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