「信州ぷ組」組長の土肥寛幸です。「ぷ組」ホームページへようこそ。

「信州ぷ組」は、正式な組織としては平成26年で4年目に入りましたが、ゆるやかなつながりとしての活動は、すでに10年を数えます。

私たちは、「新規就農の経験者だからこそできる、新規就農者の支援活動」を積極的に行なっています。そこで、私たちは何を「支援」しているのでしょうか。もちろん、新規就農の達成を支援しているのですが、そもそも、何のために人は新規就農を目指すのでしょう。

ここでは、それを紐解いてみたいと思います。そこから、「信州ぷ組」が本当に支援すべきものが見えてくると思うからです。

20090706161934なぜ、人は新規就農を目指すのか。幸せな人生を送りたいため、でしょうか。

「幸せ」ってなんだろう、という問いはあまりにも抽象的ですが、これだけは言えるのではないでしょうか。

「幸せな人生とは、自ら納得がいく人生、自ら受け入れることができる人生である」、と。

そして、その上で大切なものが、「自立」した生き方だと思うのです。

では、「自立」とは何でしょうか。

それは、「自分で考え、自分で判断し、自分で行動し、その責任を全うする」ことだと思います。

新規就農を目指す多くの人たちが、都会での実感に欠ける人生に疑問を持っていました。

20110212094058自分のことが自分で決められない。組織の判断に支配される。自分の努力がダイレクトに自分に返ってこない。自分の時間が確保できない。自分の仕事に熱くなれないーーー。

新規就農者の中には、都会での仕事をそのまま続けていれば一定の収入と安定した生活を送れていた者も少なくありません。

そんな彼らが、厳しい道と知りながらあえて新規就農を選んだのは、「自立」する環境を得るためではないでしょうか。

「自立」と言っても、農村での生活は自分勝手が許されるわけではありません。たいていの場合、人間関係は都会よりも密になりますし、より高い協調性が求められることもあります。

それでも、農業という仕事は、本当に自分次第です。時間も、収入も、自分に必要な分を自分で決めることが可能です。もちろん、それはあくまでも可能、ということであって、必ずしもそうなるとは限りませんが(特に収入面は 笑)。

農家は、個人事業主です。自分の道は、自分で決めるのです。

20110212094330言葉は「就農」ですが、実際には「起農」です。就職の「就」ではなく、起業の「起」です。新規就農とは、新規事業の立ち上げにほかなりません。

「信州ぷ組」は、新規就農者の「自立」を支援しています。

私たちは毎年20回以上の勉強会を開催していますが、そこで分かったことは、百の畑があれば、百通りの土づくりの方法が存在することです。農法は、畑の数だけあるのです。

ですから、勉強会の中に答えはありません。答えは現場にあります。現場の数だけ、答えもあるのです。

私たちは、土壌診断、植物生理、農業生物学などの知識をツールとして使いこなしつつ、自分の現場なりの答えを自分で見つけ出すしかありません。それは、農業経営においてもまったく同じです。

私が進むべき道は何か。私は、何がしたいのか。私は今、どうすべきなのか。どういう思いが、そこにはあるのか。

答えは、常に自分の中にあります。自分自身と対話を続けながら、自らその答えを見つけ出すしかないのです。

20100619060008私たちは、助けてもらうことを当たり前と考えている方には、決して手を貸しません。それは、その人自身のためでもあります。

信州ぷ組が勉強会を通じて目指しているのは、「自ら考える力をつける」ことです。

「自立」するためには、考える力をつけながら、自分で考え続けなければなりません。自ら考える力をつけること。それがすなわち、経営者になることだと思うのです。

組員全員が自立を果たし、それぞれに幸せな人生を送ること。

それが、私の願いです。

20090921142343農業者それぞれが自己実現を果たし、人生を充実させることができる。目を輝かせて、目の前の農業に取り組むことができる。

そんな大人たちの背中を見たら、子供たちはどう思うでしょう。

農業者、それぞれの個としての人生の充実。

それが、この業界の発展につながると私は信じています。

dohi_portrait_round信州ぷ組 組長

土肥 寛幸